『これからはここが…そなたの家だ』



『し…城…??』



『そうだ。そなたにはこれから若の相談相手になってほしい…いや、相談などという難しいことではないか……実はこの城には若と年齢の近い者がいなくてな…ぜひ、若と一緒にいてやってほしいのだ』



『一緒に…』



『そうだ、一緒に…な』




それからの少年の毎日はとても穏やかに過ぎていきました。



時折両親のことを思い出して辛そうな表情をする少年に、男の子は無邪気に話し掛けました。



『ね、遊ぼっ』



そしてそのたび、少年の表情はやわらかく緩むのでした。



―そんな穏やかな日々がこれからも続くと思われたある日。



いつものように男の子と遊んでいた少年の下に、城の者が勢い良く駆け込んできました。



『……話が…こちらへ。』