「だから何考えてるのかって聞いてるの。」



「私は桃子さんの家族の話を聞こうと思ってるんですが。それが何か?」



男はしれっとして答えました。



「桃子さんのお母さんって、どんな人だったんですか?」



「ちょっとあんた!」



「教えてくださいよ。」



男はふっと鼻で笑うと桃子のほうに体を向けます。



「…あんたに言う必要なんてないでしょ?」



桃子も同様。



ふっと鼻で笑い男を睨み付けました。



「桃子さんはお母さんとの思い出を、話すことが出来るのですか…?」



「は?あんた何ほざいてんのよ。お母さんとの思い出なんて、いっーぱい…」



途端、桃子は眉をしかめました。