「二重人格かどうかも定かでないのに、苦しんでましたね…」 男の口の端がくい…と持ち上がりました。 「そんな…」 鬼は震え上がりました。 「あなた方は運が良かった」 男が突然そう呟きました。 「…?何が良いって言うんだ!仲間を殺されたのに!?」 鬼の一人が叫びました。 男の耳へ届いているのかいないのか、男はその鬼ではなく人間達の方を向きました。 「そういえば、何故人間達がこの島にいるんですか?」 鬼は恐る恐る男へ聞きました。