「キジさんキジさん。」 おばあさんは優しい笑顔の仮面をつけ、キジに話し掛けました。 「!」 キジはギョッとした表情を見せこちらを向きました。 だって、かなりしんどそうな(今にも逝きそうな)猿のような猿とぐちゃぐちゃな顔のばばあがこっちを見てにっこりと微笑んでいたんですから…。 「なんであんたまで!?」 おばあさんは納得がいかない、と猿に掴み掛かりました。 すると猿はぽっと顔を赤らめ頬に手をあてました。 …それは… おじいさんに恋をしている顔でした。