「何か、とてつもなく清々しいわ。ジジイなんかもう、どうでもいいって感じ」



額の汗を拭いながら、おばあさんは呟きました。



「心が晴れた様!」



綺麗に片付いた森を一望して、おばあさんは大の字に寝転びました。



「お役に立てて光栄です。さあ、疲れたでしょう。お茶にしましょう」



と周りを見れば可愛らしいお菓子がずらり。



「これ…全部あなたが作ったんですか?」



「もしかして、あの大皿も…とか?」



おばあさんとキジは目をパチクリさせました。



「はい、そうです。若が…食べてくれるかもと思いまして…」



おばあさんとキジはどんなアホな若様だろうと想像を巡らせました。



「あ!そういえば、若!!若を探さなければ!今頃きっと心細い思いをしているに違いないっ」



男が一人、焦っていると、



「この引きずった様な跡ならありますけど…」



キジは小さく言いました。



「さっきまでの威厳はどうしたのよ!そこに道があるのなら突き進むのみよ!」