青い絆

「今井」

後ろから名前を呼ばれ振り向く。
担任が教科書と出席簿を持ってこっちに向かってきた。

「授業始まってるぞ。急げよ」
「すいません」

担任に言われ教室まで走った。


渡り廊下に散って色あせた桜のように、
俺の夢も自ら色あせた。
桜はまた再生する為に散るが、
俺は再生しないように頭の中にあるあの時見た
琥珀色の地の中に埋めて忘れようとしたんだ。