「わが社が今度のコンサートのスポンサーになったんだよ」



仕事がらみでなければ書斎のテーブルに彼らのパンフレットは置かないだろう。



「紫苑さん、チケットは取れますか?」


カイトは聞いていた。



「もちろん 彼女の為に取ってあげるかい?」


「彼女・・・ではありませんが宜しくお願いします」


そこへノックがあり莉緒が入って来た。



その横に莉緒によく似た乃愛が立っていた。


カイトは立ち上がると乃愛の所へ行きしゃがんで目線を乃愛に合わせる。


「乃愛ちゃん こんにちは」


「カイトおにいたま、こんにちは」


乃愛が愛らしい顔でにこっと笑った。



「紫苑さん、リビングにお茶の用意が出来たけど・・・お話は終わった?」



「そうだね お茶にしよう」



紫苑は莉緒に微笑むと立ち上がった。