莉緒は複雑な気持ちで家に戻った。 「莉緒、お帰り」 リビングルームに入ると紫苑がソファーに座っていた。 右手に本を持っている。 「あ・・・紫苑さん 早かったんだね?」 「たまには早く帰ろうと思ってね」 「ごめんなさい 出かけていて・・・」 莉緒は紫苑の隣に座った。 「どうした?泣きそうな顔をしているね」 「・・・花音ちゃんに会ったの」 仕事から帰ると莉緒は乃愛を置いて出かけていたのでそんな所だとは思っていた紫苑だった。