翌日の朝、莉緒は小夜子に電話をかけたがやはり繋がらない。



「紫苑さん、小夜ちゃん 電源入れていないの・・・」


「彼女も苦しんでいるんだろう」



――紫苑さんの言うとおりだと思うけど・・・。そうだ!




莉緒はカイトの眠っている客間へ行った。


ノックをすると中から返事が聞こえた。


「カイトさん、おはよう」


ドアを開けながら言う。


カイトはちょうどベッドから立ち上がった所だった。



「莉緒ちゃん、ごめん 迷惑かけた」


すまなそうなカイトに莉緒は笑顔で首を横に振った。