牧原はカイトが真夜中、目覚めた時の為に「水を持ってきます」と言って出て行った。



「紫苑さん、カイトさん苦しんでいるの?」


――小夜ちゃんの嘘の為に?


「・・・そうらしい」


「きっと小夜ちゃんの事だ、嘘なの・・・・小夜ちゃん・・まだ訂正していなかったんだ・・・」


「嘘?」


紫苑が眉を寄せて莉緒を見る。



「うん そう・・・花音ちゃんにカイトさんを取られたくなくてとっさに流産したって嘘を言ってしまったの ちゃんと訂正するように言ったのに・・・」



「花音ちゃんと別れて、小夜子さんにプロポーズしたそうだ」



「ええっ!?そんな所まで話が進んでっ!?」



――酷いよ、酷いよ 小夜ちゃん、そんな嘘はいけないのに。