花音はとっさに<閉>のボタンを押した。


それに反応した扉はゆっくりと閉まろうとした・・・・


その時、


長くきれいな指が扉を押さえた。


「どうして逃げるの?花音ちゃん」


ニヤッと笑ったカイトに花音は首を振るしかない。



「花音ちゃんは確か大学生だったはずだよね?」


どう見ても大学生に見えない。


なぜならば高校の制服を着ているからだ。


しかも都内でも有名な私立のお嬢様学校。


「は、はい・・・大学生です」


そう言ってカイトの脇をすり抜けようとしたが手首を掴まれてしまった。