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花音は西園寺邸の門をカイトの運転する車でくぐった途端、圧倒された。


迎賓館を思わせる門、屋敷へと続く道、周りは緑ばかりで花音は戸惑うばかりだ。


「カイトさん・・・ここって日本じゃないみたい」


助手席でキョロキョロと周りを見渡す花音。


――やだ、手に汗かいてきちゃった。


暖房がきいているとは言え、真冬なのだが。



「俺も最初にそう思ったよ」


花音の驚きを横目にカイトは微笑んだ。




「いらっしゃいませ カイト様、お嬢様」



グレーのスーツを着た牧原がエントランスまでカイトと花音を出迎えた。