「夢だけじゃ、ご飯、食べれないんだよ?」 諭すように言い残して、部屋を出ていった君の残り香が、かすかに漂う。 これで、何度目だっけか? 同じセリフで振られてばかり。 原因は、わかっている。 定職にもつかず、夢を追う俺では、女ひとり、守ることなんて、できないから。