「…幸哉が、何か
 企んでるってことくらいかな?」

「…何を企んでるんですか?
 波川は…ハメられたんですか??」

俺に詰め寄る宮元。

「ちょいちょい!!
 近寄りすぎだよ、宮元くん!!!!
 そんなに俺のチューがほしいのか」

「…冗談言ってる場合じゃないんです」

宮元はクスリとも笑わず、俺を睨む。

「…春輝とふぅちゃんの絆は本物だよ」

「じゃあ…本当に小沢先輩は何を」

「それがわかってたら俺だって
 お前に言ってるよ!!」

「…波川が悲しむんじゃないかって」

宮元は眉を下げて俯く。


そんなに好きなのか…


「もし、波川のこと傷つけたら
 俺…アイツの事、奪いますからっ」

まるで春輝に言ってるかのように
俺に宣戦布告する。

「俺、絶対に波川のこと守ります!!」

宮元はそう言って走り去った。

「おい、ちょっと!!」

俺が呼び止めた瞬間、
授業開始のチャイムが鳴り響いた。