『…好き、だからっ』


切なそうに答えた言葉が
胸に突き刺さる。

「…ふざけないでっっ!!!?」

あたしは携帯に怒鳴った。

『ふざけてねぇよ!!
 俺はいつも本気だ!!!!!』

強気な答えだった。


悔しい。

認めてあげてもいいのに。

双葉のこと、許してあげてもいいのに。


でも…


「双葉をもてあそばないでっ!!!!」

本当なはそんなこと、思ってないのに。

「もう…あたしは関係ないっ!!!!」

そう言ってあたしは携帯を切った。



「それは…本心じゃないよね?」

あたしの肩を抱くその声。

「……」

「…泣いてるから、本心じゃないか」

冷たい瞳があたしから
視線を逸らした。

「邪魔すんなよ?
 俺の企み、壊すんじゃねぇよ??」

「…わかってます。小沢先輩」

あたしは零れ落ちる涙を必死で
手で拭う。

「……双葉には悪いけど、
 アンタとは友達、やめてもらうから」

あたしは小沢先輩の無表情な顔から
目が離せなかった。