「黙ってないで答えなよ?」

『…あたしは酷い奴です。』

なんでそんなこと言うんだよ。

『あたしは……』

携帯の向こう側から小さな
泣き声が聞こえてくる。

『…あたしはっ……っっ…』

ほら、やっぱ辛いんだろ?

「…やっぱり辛いんだろ?」

『…そんなことっ…ないっ』

強がっているところがどこかしら
双葉に似ている。

「強がるなよ?
 …どうしても、教えて
 ほしいことがあるんだ。」

『…あなたに教えることなんて
 ない……ですっ!!』

「幸哉のことなんだけど」

俺は長谷川瑞希の言葉を無視って
話しを続けた。

『だからっ!!』

「頼む!!!!
 お前は良くても俺には大事な
 ことなんだよっ…」

俺は自分でもビックリするほど、
悲しい声を出してしまった。

『……どうしてっ』

小さなかすれた声が聞こえてきた。

『どうして…そんなにっっ……
 ……必死なの…??』

俺は言葉を詰まらせた。

突然の問いに、ビックリしてしまった。

『ねぇ、どうして双葉に
 必死なの?????』

「……わかんねぇの?」

『……』

「…好き、だからっ」

『……っ…』