「だから捨ててないっ!?」


「でも捨てられた!!」


「違うって!!」



また口喧嘩。


いつもなら、大人の
瑞希ちゃんの方から
「はいはい」って言って、
終わるのに。


けれど、今回はどちらとも
譲らない。



譲れないんだ。


"絶好"が、かかっているから。



「あたしは瑞希ちゃんと
絶好するつもりはない」


「あたしは、ふうとは
絶好するつもりだから」



瑞希ちゃんの強い瞳に
いつも負けてしまう。


(双葉の悲しそうな瞳に
いつも負けてしまう。)



だけど、今回ばかりは
絶対に負けられない。


(今回ばかりは
負けてたまるもんか)



瑞希ちゃんと絶好したくない。


(双葉とはもう絶好)





((こんな約束、
するんじゃなかった))