瑞希ちゃんの怒った声が
返ってきた。



「ちゃんと、話聞いて?」

「もうふうから
聞くことなんてないっ」


「最後まで聞けって!!」



いつもと口調が違うあたしに
瑞希ちゃんもビックリした。



「最後まで聞いてないのに
勝手に逃げんな!!」


男子が言いそうな台詞。

それを言っている自分がいる。



「あたしは先輩が好き。」


あたしのその言葉に
瑞希ちゃんは固まった。


「窓羽春輝のことが好き。

ちゃんと好きで
付き合ったんだよ。」



落ち着いて言えた。



「だから、瑞希ちゃんとの
約束、破ったつもりはない」



瑞希ちゃんが少しずつ、
こっちに体を動かしている。


「瑞希ちゃんはあたしの
大切で大好きな親友だもん」



だから・・・

だから絶好なんて言わないで。



「でも、捨てたよ?」


瑞希ちゃんの涙に交じった
声がはっきりと聞こえた。