「しゃーねぇな。」 「やたーっ!ありがと陸~!」 あたしは、陸の腕にしがみついて、頭をすりすりこすりつけた。 「気持ちわりいな、やめろよ。」 陸は、私を腕から離そうと必死だ。 「陸っ、早く行こっ?」 「ああ。」 だけど、こんな私のわがままで、私たちの仲に亀裂が入るなんて、この時の私たちには、わかるハズもなかった……。