陸、『おいしい』って笑ってくれるかな。 『ありがとう』って、頭撫でてくれるかな。 絶対失敗しないようにしなきゃ。 あ、そういえば、美姫は神野くんにあげるのかな。 美姫は、料理できるから。 いいな。私も、家庭的な女の子になりたい。 私は、レシピ本を見つめながら、陸の笑う顔をずっと想像していた。