---2月




陸の引っ越しから数週間。

2月になった。



寒さは全然和らがない。



「あ。ねえ雫、見て。」


「ん??」



お昼休み、いつものように美姫とお弁当を食べていたら、美姫が窓の向こうを見て呟いた。





「あれ、島田くんじゃない??」


「え、どこ!?」


「ほら、あの歩道橋の下。」


「ほんとだ。」




確かに陸が、学校の前にある歩道橋の下を1人で歩いていた。




「何してるんだろう、こんな時間に、こんな場所で。」