ニコッと笑った顔がかっこいい…ってちょっと思った。


次は黒い髪にピアスの人。


「俺は芳岡 妃色(ヨシオカヒイロ)。よろしくー」



この人は何だかクールに見えるけど実はホットなのかも…?


「えっと、なんて呼べばいい?」

私は少し怖かった。

裏切られたらどうしよう…これ以上辛いのは嫌だから…

そう思っていると
アズが肩に手をのせて隣に居てくれた。

「普通にリュウジとヒイロでいいよ」

二人とも笑顔で
同時に

「よろしくな、嘉穂」

と言ってくれた。


なんか嬉しいよ…
こんなの高1以来…
アズ、ありがとう

なんて考えてたら
涙が頬を伝った。


「え!?嘉穂?」

アズの驚いている声が聞こえる。



あれ?
泣いてる…これが
嬉し泣きってやつかなぁ…



「どうしたん?嘉穂」


アズが背中を撫でる。
その手はあまりに温かくて大きかった。


今でも忘れられないアズのなんでも掴み取らせてくれる大きな手…