さっきまで
走ってきた
広くはない道に
また出ると
バイクでもギリギリの
かなり狭い道を通って
見覚えのある
景色までたどり着いた。




「このまま俺んち行くか」



「え?いーよ」




聖の家は
今回で4回目
もう場所も覚えた



5分ほどで
家に着いた
バイクから降りると
足が震えたように
ガクガクして
座ってしまった




「お前だっせー」




「うるさいなぁ!」




自力で立つと
聖のあとにつづいて
家に入った



ガチャ


「お邪魔しまーす」




「ほんっと邪魔」




「おい!」



聖の部屋は
相変わらず汚い


お酒が飲んだあと
タバコの吸い殻
スナックの食べ残し



「汚ッ」




「あぁ?」




「なんでもないっす」




聖はソファに
横になった



「俺ここで寝るから、お前布団で寝ろ」



「え、いーよ。あたしがソファで寝る」



「いいわ。お前が寝ろ」




聖は本当に
優しい…
もしあたしが聖の
彼女だったら
一緒に寝よとか
普通に言えるのに。



「ねぇKingはあたしの事どう思ってるの?」



「大事な仲間ー」



「そっか」



期待してる
言葉なんて
切ないだけ…



「なに?」




「おやすみー」



「は?」



あたしは
布団に潜った…
布団は聖がつけてる
香水の香りがした…。


切ない…
聖があたしを
恋愛対象として
見てくれる事は
ないのかな?
仲間って嬉しいけど
あたしは聖の
特別になりたいよ…