夜9時…




「やっほー」



「ちゃーっす」




いつもの
自動販売機の前
いつもの夜遊びメンバーが
集まって来た。




それぞれみんな
傷を持って生きている…
そんな悲しみが
少しでも癒える時間
それがみんなで集まる
この時間だった…。





夜遊びに意味はない。
ただ誰かと一緒にいたいだけ。
楽しいからここに来るだけ。


一般からみたら
オチこぼれが
集まってるだけだって
笑ってるかもしれないけど
それでも信じれる仲間がいるから
いきがっていられる…。



あたしが夜遊びをし始めたのは
中学3年ごろだった。
もう1年くらいになる。
あの頃受験やら部活やらで
追いこまれて精神的に病んでた時期に
その頃から見た目が
派手だった親友の
杏里(あんり)の家に泊まりに行って
先輩が夜中に呼び出してきて
行ったのがはじめてだった。

そこで出会ったのが
地元じゃ一番喧嘩が強いって噂の
聖(こうき)だった。

なんだか聖の考え方や
優しさに惹かれた。

そこら辺にいるタメより
はるかに考え方が大人で
魅力があった…


その日から
あたしは夜遊びを始めた。