あなたの隣


懐かしい匂い…

懐かしい風景…

懐かしい人…

懐かしい場面…


「…なんで泣いてるん?
泣かんといてよ。」

懐かしい人が泣いていた…

「俺…ごめんな…
真奈…ほんまごめん」

懐かしいひとがどんどん
離れていった。

「嫌やそんなん!
ちょお待ってや。
お願いやから…待っ…」

「真奈!真奈美!」
ハッと目が覚めると
玲が机ごと私を揺らしてた。

「やっと起きたわ!
眠り姫かと思た。
もーはよせんな着替える時間
なくなってまうで、
だーっっしゅ!」
一目散に走る玲を
「ちょ〜待って〜な〜」
体操服だけ持って
教室から飛び出した。

…夢だった。
一度体験したのに
また夢でも同じあやまちを
してしまった。