転んだら死神が微笑んだ

そのわたしの焦りを、コイツは感じとっていた。

貴志「代われっ。」

あかり「何すんの?!」

貴志「俺に任せろ。こう見えても、俺は『クレーンの王子様』って言われてんだよっ。」

チャリン

ウィーン…

コイツは、わたしをどかして、クレーンゲームの前に陣取った。




ビロリロリ…








ウィーンッ…

あかり「…なんか、さっきから取れてないんだけど…」

貴志「うるせ〜な…。」

あかり「本当に『王子様』なんて、言われてんの?!」

貴志「今日は調子が出ないだけだよ。」

チャリン

ウィーンッ…





でも、まったく取れなかった。