転んだら死神が微笑んだ

ひより「着いたよ。」

あかり「…え?」

ひより「なに、ボーっとしてんの?着いたよっ。」

わたしは、まわりを見た。
家らしきものはひとつもない。

あ〜、やっぱり。

わたしは、とうとう来たのかと、心の半分に準備していたものを固めることにした。

ひより「今度は、なにキョロキョロしてんの?ここだよ。」

この子が指をさした場所には、大きな壁があった。赤いレンガで積み上げられた壁の先には、白く輝く鉄の門が横に大きく広がっていた。

あかり「もしかして…ここがひよりちゃん家?」

ひより「うん。そうだよ。」