転んだら死神が微笑んだ

女の子「んふ。おはよ〜。」

後ろの席の女の子が、わたしに笑顔で手を振っている。

長い髪がきれいで、肌も白くて、わたしに向けられている手は細くスッとしていた。

誰、だっけ…?

わたしは、クラスの子の顔とか名前を、ほとんどまともに覚えていなかった。

後ろの席の子が誰なのか、まったくわからなかった。

あかり「何?」

わたしはちょっとおどおどした感じで、その子に返事をした。

後ろの女の子「池花さん、最近なんか明るくて、雰囲気変わったな〜と思って。それで声をかけてみたの。」

あかり「え…。」

びっくりした。

わたしは何も変わったつもりはない。

そりゃあ、アイツと会ったっていう変化はあったかもしれないけど、学校はべつべつだし、学校でのわたしはいつもどおりだった。

それに、ついさっきまでだらだらしてたんだから。

そんなわたしを『明るくなった』なんて…

あかり「そっかな〜?」

後ろの女の子「お昼ご飯、一緒に食べよ。」

あかり「え?」