転んだら死神が微笑んだ

甘酸っぱいケーキをほおばりながら、甘い紅茶を飲む。

あー、至福の時だなぁ。

……。

前と後ろで何か違う空気が流れていなければ…。

すごくそう思える。

女将さんと男の人は、お互いに意識しないように食べている。

少なくとも、目の前の女将さんは何食わぬ顔で淡々としている。

男の人は…

音の限りでは、食べている。

時折、リズムが崩れるのは、女将さんのことが気になるからだろうか?

女将さん「ここのケーキ、食べてもあまりボテっとしないわね。」

あかり「え?!あ…ああ、そうですね!女の子泣かせのお店ですね〜!」

女将さん「あら!あかりちゃん上手いこと言うわね。」

あかり「ありがとうございます〜。」

か…確実に、わたしの中でレベルアップしていることを実感できた。

この窮屈な状況で、わたしはとっさに冗談が言えたのだ。