転んだら死神が微笑んだ

ご飯を食べてからしばらくして、一人で外に出かけてみた。

もちろん、そのおばあちゃんの言うショッピング・モールに行くためだ。

辺りの様子は、あまり変わっていないように見える。

ホントに、ショッピング・モールなんてできたのかな?

おばあちゃんの言う『大きい』っていうのも、なんかあやしい。


女の人の声「帰りなさい!」

男の人「お、女将さん!」

歩いていると、前から男の人が飛んできた。

ちょっと太めの身長の低い男性だ。

太った男「あ、あの話だけでも…ごふっ!」

男の人が前のめりになって、話をしようとすると、前から黒いかたまりが飛んできて、男の人の顔面にヒットしている。

それは、かばんだった。

女の人の声「わたくしは、もうあなたの女将さんではありませんっ!!」

男の人の頭の向こうから、女の人の声が聞こえた。

すごい怒鳴っている。

太った男「女将さ〜ん。」

それでも、食い下がる男の人。


するとしばらく沈黙が続いた。