転んだら死神が微笑んだ

おばあさん「お父さん、ビール飲みますか?」

おじいちゃん「ああ、頼むよ。」

おぼんに、ビールとグラスが二つ持ってこられると、お父さんが少し立って受けとった。

お父さん「僕が注ぎます。」

テーブルに置いてから、グラスをおじいちゃんのほうに渡し、ビール瓶を構えた。

おじいちゃん「おお、すまんね。」

おじいちゃんは、グラスを片手に取ると、お父さんがビールを注ぐのを待っていた。

ビールがグラス一杯まで注がれると、いったんそれを置いて、ビール瓶をお父さんから取ろうとする。

おじいちゃん「慎吾君も飲みなさい。」

お父さん「すみません。いただきます。」

グラスを両手で持つと、ビールが注がれた。

おじいちゃん「乾杯。」

低い声で、おじいちゃんがそっと言うと、二人はグラスをちょんと前に突き出して飲み始めた。