お墓は、お母さんの故郷にたててある。

だから、わたしたちがこうしてあまりお墓参りに来れなくても、おじいちゃんやおばあちゃんたちがちゃんと掃除をしてくれているのだ。


わたしがお水をかけて、お父さんがお花をかざり、ろうそくに火をつける。



お父さん「よし。お父さんは、終わったぞ。次はあかりの番だ。」

線香から煙が出て、その匂いがわたしのところまで香ってくる。

わたしはお父さんと交代して、お墓の前に座った。

あかり「ねぇ、お父さん？」

お父さん「なんだ？」

あかり「お参りって、いつも何してるの？今まで、ただなんとなく手を合わせていただけだったから。」

お父さん「そうか、あかりは知らなかったのか。」

あかり「うん。」

お父さん「お母さんに伝えたいことを言えばいいんだよ。自分のこと。最近の出来事とか、学校での話とか、普通のことでいいんだ。」

あかり「フツーのこと？そうなの？」