転んだら死神が微笑んだ

こんなわたしでも、びっくりさせられる仕掛けがつぎつぎとわたしを襲ってくる。

あかり「のわっ!」


ドタッ


ガンッ


ヌチャ


ヒュッ


ドシン


あかり「ご、ごめん。」

その度にわたしは、タカシの背中にぶつかり、あらゆる恐怖から逃れていた。

貴志「ウゼ〜な。いい加減びっくりするの慣れろよ。」

あかり「びっくりすることに慣れたら、ここにいる妖怪みたいになっちゃう。」

貴志「そのほうが似合ってるかもな。」

あかり「ひどい!」

バシッ

貴志「いてっ!ったく、このっ!」

今まで散々よっかかっていた背中に、平手打ちをお見舞いした。

そしたら、コイツはその手をつかんで思いっきり引っぱった。

あかり「おおっ!」

引っぱられた力で、わたしの体が前のめりになった。

それを繋いでいる手から感じ取ったのか、今度は貴志のヤツさらに逆の方に引っぱり、わたしが倒れないように操った。