転んだら死神が微笑んだ

かなえ「さすがに今人気があるだけあって、結構並んでるね。」

いちご「こ、こんなに並んでるんだから、いいじゃん〜!」

貴志「バ〜ロ、コースターは一度に多くの人間を乗せることができっから、こんな列なんてあっという間だって。」

いちご「う…。」

タカシの言うとおり、列は何十分という間もなくすぐに流れていき、三巡もすると順番が回ってきた。

寿明「チッ。先頭じゃなくて残念だったな…。」

いちご「『チッ』って、何だよ?!今聞こえたからね!?」

び〜び〜騒ぐいちごちゃんをよそに、男女隣同士に座った。

いちごちゃんの横にはかなえ。寿明くんとミキ。タカシとわたしだった…。

あかり「なんで、アンタなの?」

貴志「俺が隣にいちゃ悪ぃのかよ?」

あかり「ううん。」

貴志「そ、そうか。」

なぜか、わたしは悪態をつかなかった。

ジェット・コースターに乗っている高揚感だからなのか、三人の中なら、タカシが一番よく知っているかなのか、理由はいくつか考えられる。

それには、タカシも肩すかしをくらったらしく、声に動揺がみられた。