転んだら死神が微笑んだ

寿明「でもさ〜、清女と桜見って近所にあるのに、まったく交流とかないからさ〜、こういうときにこそ、お近づきになっとかなきゃいけないよね!」

かなえ「そうだよね〜。高等部の学園祭の時とかも、おーみの制服まったく見ないもんね〜。」

寿明「あ〜、そうそう。」

ミキ「何でなの?」

貴志「『大人の事情』ってやつね。」

あかり「『大人の事情』?」

いちご「清女の学園祭の日は、うちの学校は全学年、“社会科見学”で遠くに行ってるんだよ〜。」

寿明「“社交界見学”の間違いじゃね?」

いちご「えっ!?」

貴志「去年俺たちは乗馬しに行ったよな〜。」

いちご「あれは、楽しかったね〜。」

寿明「今年は何かな?」

いちご「どっかの国の学校と交流パーティーがあるらしいよ?」

貴志「王子様じゃなかったか?」

いちご「え〜、そうだっけ?」

明らかに会話の中身がおかしい…。

それでも、横の二人はさらにうっとりしていた。

いちご「だから〜、前から清女の学園祭には、うちはいけないように仕組まれてるらしいよ。」

ミキ「え〜!!ホント〜。」

寿明「お互いの学校での男女交際を作るきっかけの場をなくすためとか、桜見が女子校の学園祭に行ったら、売り上げがとんでもなくなって、生徒の商売の感覚がおかしくなるのを避けるためとか、理由はいろいろあるらしい。」

かなえ「ひど〜い!どっちもうれしいのに〜。彼氏ができるうえに、超もうかるんだよ〜。いいじゃんね〜?」

だから、その感覚がいけないんだってば。

貴志「まぁ、確かに。焼きそば買うときにカードなんか出されても、困るよな?」

寿明「出さね〜って。」

ミキ「何の話?」

いちご「な、なんでもない!なんでもない!」

かなえ「なんで、いちごちゃんがあせってんの?」

最初のあのやりとりを見ていない二人には、タカシの悪意ある冗談がわからないままでいた。