転んだら死神が微笑んだ

いちご「僕が生まれた時、お父さん、僕のことを女の子だって、勝手に勘違いしちゃったみたいで、そのまま『いちご』って名前つけちゃったんだよ〜。服とかも全部ピンク揃えちゃうしさ〜、周りが気づいたときにはもう名前の届け出も出しちゃってて。」

かなえ「それで、いちごってなったんだ〜。」

いちご「ひらがなだったのが、少しでも幸いさ。漢字で『苺』って出されてたら、それこそ生きていけないよ〜。」

かなえ「でも、ホント女の子みたいだから、別にいいじゃん!」

いちご「え〜〜。」

な、なんておっちょこちょいなお父さんなんだろう…。

男の子って確かめないで、いろいろ準備進めるなんて。

わたしのお父さん以上かな。

かわいそうな男の子だな〜。

一生自分の名前で嫌な思いしなくちゃいけないんだ。

貴志「よし!自己紹介も終わったな。さっさとメニュー決めようぜ!」

ミキ「あ!そうだね。もうお腹ぺこぺこ〜。」

かなえ「え〜。ミキ。そんなハズいこと言わないでよ。」

かなえはミキのお腹をさすっているしぐさを払いのけて、やめさせた。

でも、メールにはレストランでやるってあったから、実はわたしも朝から何も食べてなかった。

お腹減ったのに、そんなことも言っちゃいけないなんて、女の子もなかなか大変だな〜。

せっかく外で食べるんだから、何かおいしいものを食べようと思ってたのに…。