転んだら死神が微笑んだ

かなえ「どうして、いちごなの?いちごちゃん?」

いちご「う…。みんなも、ちゃん付けするつもりなんだね…。」

なかば泣きそうになっているいちごちゃんをよそに、寿明君がいちごちゃんの頭を抑えながら、説明しだした。

寿明「学校の自己紹介のときも、何回もいじられてるんだけど〜、コイツが言うにはお父さんが勝手につけたんだってさ。」

ミキ「へぇ〜、お父さんもおちゃめな人なんだね〜。」

いちご「おっ!おちゃめで片付いたら、苦労なんかしてないよ〜。」

ミキとかなえは一緒に、いちごちゃんのことをよしよ〜しとなだめていた。

それが本人の涙をさらに誘っていた。

それにしても、すごいお父さんだな…。

確かに、いちごって名前は似合ってなくはないけど、

もしこんなヤツが『いちご』だったら、正直ただの変態だな…。

わたしはタカシの顔を見ながら、『いちごで〜す。』とあいさつをしているタカシの姿を思い描いていた。

貴志「なんだよ、お前。」

ちょっと、ふきだしていたわたしに気づき、タカシは水を飲みながらにらみ返してきた。