転んだら死神が微笑んだ

あかり「い、池花あかりっ!14歳。清翠女学院2年A組ですっ。」

わたしが覚えている限り、こんな声をはっきりと出して自己紹介をしたことはない。

タカシ、ミキやかなえも笑っている。

な、何か変なことでも言ってる?

え、えっと…。

笑ってるの見たら、次なんて言えばいいかわからなくなった。

あかり「よろしくお願いします!!」

テーブルすれすれまで頭を下げた。

パチパチパチ

あ、拍手。

まぁ、な、なんとか無難に終わったかな…。

やっぱ、変わろうと思っても、いきなりうまいこと言えないや。

貴志「(まだまだだな。)」

あかり「(うるさい。)」

ミキ「じゃあ、わたし。佐伯ミキで〜す。趣味はカラオケで、激しくダンスなんかしちゃって歌ってま〜す!」

あ〜、趣味とか言えばいいんだ。

…。

わたしの趣味ってなんだっけ?

そういえば、学校の自己紹介でも、趣味とか言ったことないな。

や、やばい…。無趣味だ!わたしっ!

ミキ「あと〜、自慢はこの豊満な胸で〜、まだまだ発育途中で〜す。」

男の子1「よっ!!」

パチパチパチ

はあっ!!そんなこと言っちゃっていいの!?

ミキは胸を高くツンとあげて、男の子たちにアピールしていた。

タカシもニヤニヤしながら、大げさに拍手をしている。

コイツ〜。

わたしはなぜか、そんなタカシを見るとイライラしてきた。

かなえ「はい!かなえです。森崎かなえ。今はおしゃれとかがんばっちゃってます。体型はミキには負けちゃうけど、背も高いし、かわいさならばっちり負けないつもりです!」

ミキ「なによ〜。」

パチパチパチ

おお!普段は仲のいい二人なのに、こんなとこで張り合っちゃってる。

目から火花を出し合っちゃって。

真ん中の席じゃなくてよかった〜。