転んだら死神が微笑んだ

タカシが辺りを見回していると、ピカピカに輝く真っ赤なオープンカーがわたしたちの前に止まった。

ブォォン!

男の子その1「姉貴、わざわざありがとう。」

姉貴と呼ばれる女性「いいのよ、ついでだから。」

男の子その2「ありがとうございました!」

姉貴と呼ばれる女性「がんばってね。」

男の子その2「はい!」

二人の男の子が降りると、サングラスをかけた若い女性の人は、手を後ろに軽く振って、またすごい音とともに遠くに走っていった。

見送る二人は、車が見えなくなると、手を降ろした。

貴志「遅かったな。そのわりには派手な演出でご登場ですか?」

男の子1「悪ぃ。思いのほか、道が混んでてよ〜。」

貴志「それが中学生の言い訳かよ。電車で来い、電車で。」

男の子2「もぅ〜、貴志ク〜ン。いじわるなこと言わないでよ。電車なんて乗ったことないんだも〜ん。」

貴志「電車ぐらい乗っとかねーと、立派な大人になれねぇぞ。」

も…もしかして、これがタカシの知り合い?

意外というか、なんというか。もっと、タカシみたいな陰湿なメンバーを連れてくると思ってた。