転んだら死神が微笑んだ

あかり「ごめん!待った?」

わたしは手を合わせて謝った。これ以上、二人がひやかさないように。

かなえ「ううん。大丈夫。そんなに待ってはないから。」

ミキ「ま〜、あそこでタラタラやってたのは、正直長かったけどね。」

かなえ「はっきり、目に毒よね〜。」

い、嫌みはいってる。

そんなに、わたしたちってそう見える?

さっきだって口ゲンカしてたようなもんなのに…。

あかり「そ、そんなこと言ってないで楽しもうよ!」

ミキ「あかりはいいけどさぁ〜あ。」

かなえ「うちらは必死なんだからっ!」

かなえがいつのまにかハンカチを取り出して、握りしめている。

ミキ「ところでさ〜、向こうのあと二人は?」

ミキがタカシのほうを振り向いて、肝心ですからというような感じで聞く。

貴志「え〜と、まだ見えてないみたいですね〜。何かあったのかな〜?ちょっと待ってください。」

出た。人様向けの嘘っぱちタカシ。

その動きは、わたしにはすごい芝居がかって見えて、なんかいやらしい。

タカシは携帯を引っぱり出して、電話をかけていた。


貴志「もしも〜し。今どこにいんだよ?…え?もう着く?…あ、切れた。」