あかり「に、似合うでしょ?!」

質問の答えにはなってないけど、今はひたすらごまかそう。

貴志「お、おう。最初誰かわかんなかったからな…。別人だと思ったぜ。」

あかり「いいでしょ?たまにはこんな服も。」

くるっと、回ってタカシに見せびらかす。

どこかぎこちのないモデルターンで、ちょっと足がごたついていたけど、なんとかコケないようにバランスをとっていた。

あかり「わたしだって、おしゃれして変わりたいって思ったんだから。今日はそのチャンスの日よ。」

頭をおさえていたタカシの顔が、まっすぐわたしを見ていた。

また、優しく笑いだす。

貴志「そっか。いいじゃねぇか。お前もだんだん、どうすりゃいいかわかってきたみたいだな。」

あかり「へっへ〜ん。」

調子に乗ったわたしは、タカシの前をまた回ってみた。

さっきもごたついていたのに、わたしはそれを忘れて、優雅に回ってみせる。

そんなわたしにツケがきた。

とうとう足がもつれ、アホみたいにあきれているタカシの顔が、わたしの視界から消えた。

あかり「う、うわ〜っ!!」



あかり「…。あれ?」

地面におもいっきりぶつかるはずだったわたしの体は、優しく何かに包まれていた。