転んだら死神が微笑んだ

あかり「な、なんで、戻ってきたのよ!!」

坂口「ぼ、僕のことを殺そうとしているのか?!」

わざわざ、そんな質問するために戻ってきたの?どうして、どうしてよっ!

山田「ああ、そうさ。」

おじさんは坂口さんに対して、持っていたものの銃口を向けた。

それを見て後ろにのけぞる坂口さん。


坂口「ど、どうしてなんだ?り、理由を教えてくれっ。」

山田「フンッ。いいだろう。教えてやるよ、理由を。」

山田「貴様の作っている部品が、危険だからだよ。」

坂口「き、危険!?一体、どういうことなんだ?何が危険なんだ?」

山田「気づいてないようだな…。あの部品が、戦争の道具になる可能性を十分に秘めていることをっ!」

坂口「な、何だって!?そんな馬鹿な。あ、あれは電子製品などに使われるはずだ…!」

山田「貴様はそう思っていても、他の奴らはそんな考えをしていない!自分たちの私利私欲のためなら、どんなものだって利用しようとするのさっ!子安のような奴がな!!」

坂口「こ、子安さんが?!」

子安 賢一郎…。あの人は、坂口さんの部品を悪いことに利用しようとしていたんだ。坂口さんをダマすようにして。

あかり「おじさん!あの人のこと知ってたの?」

山田「ああ。知っているさ。」

貴志「じゃあ、どうして、その悪い奴をさっさとやらないんだよ。」

山田「泳がせているのさ。アイツの行くところには、必ず何か陰謀が隠れている。奴の行動を見張っておけば、いろんな奴の居場所がつかめるからな。」

坂口「そ…そんなバカな…。」

坂口さんは、その場にひざをついて倒れこんだ。

自分の作ろうとしているものが、自分ががんばって完成させたものが、戦争の道具になる。

そんな事実を聞かされ、まともでいられるはずがない。

山田「お前の作った部品が、多くの人間を殺すことになる。まだ完成に至っていない今、お前さえ死ねば、一人の犠牲で済むんだよ!」