転んだら死神が微笑んだ

貴志『もしもし。』

電話にでたのは、タカシだった。

あかり「え…えっと…」

貴志『どうしたんだよ?』

あかり「公園に来てくれるっ?!話はそれから!!」

貴志『ああ。わかった。ちょっと、待ってろ。』

タカシのほうから、電話が切れた。


ツーッ… ツーッ…



あかり「あ。行かなきゃ…。」

わたしは、無意識のうちにかばんと封筒を持って、家を出た。

公園につくと、やっぱり静かで、わたしはそのままブランコに座って、少しこいでいた。


しばらくして、タカシがやってきた。

貴志「よっ!こんな夜にこんな場所に人を呼び出して、愛の告白か?」

タカシは遠くから、わたしを見つけると、そんなことを冗談まじりに言ってきた。

わたしは、ぼーっとタカシのほうを見ていた。

貴志「…何かあったのか?」

弾んだ声が、ちょっとトーンが低くなり、優しい声に変わった。


あかり「わたしさっ!どうしたら、いいんだろっ?!」

貴志「何が?」

あかり「人が…、人が殺されようとしてるの!人が、人を殺そうとしてるの!」

貴志「何言ってんのか、全然わかんねーよ。」