転んだら死神が微笑んだ

知春「もしかして、傷ついちゃった?」

あかり「う〜ん、なんか複雑な感じです。ひよりちゃんのこと好きだし、それってべつにひよりちゃんの性格も含めてってことだから、悪いことじゃないんですよね?でも、何かそうやって言葉にすると、イメージが…。」

知春「大丈夫。実際、世の中なんて変わってる奴らだらけだよ。そうやって、『天然』ってくくりを決めて、どっか自分とは違うんだって思って、安心してるだけなんだから。それに、男はそういう子好きなんだよ。その友だちが『持ってかれるかも』って言ったのは、そういう意味だから。逆に、あかりちゃんに嫉妬してるの。」

あかり「あ〜、そういう意味だったんだ。でも、そんなわたしなんて、モテないですから。」

知春「え〜、もっと自信持っていいよ。あかりちゃん、結構かわいいと思うけどな。」

あかり「そうですか?」

知春さんは、ホントに優しい人だ。

どんなことでも、わたしに気を遣ってくれている。

初めて、人のこといいな〜って思った。

知春「パフェ溶けてるよ。早く食べな。」

あかり「はい。」

わたしが、どろどろになっているアイスに、少し後悔しながらつついていると、続いて知春さんがしゃべった。

知春「それに少し寄るところがあるからさ、閉まっちゃう前に行こうよ。」

寄るところってどこなんだろう?もしかして、忙しかったのかな。

それなのに、わたしのために、時間まで作ってくれるなんて。

甘いパフェが一瞬、苦く感じたけど、そんな苦味もすぐになくなっちゃうくらい、パフェは甘く、とてもおいしかった。