転んだら死神が微笑んだ

注文の後、わたしが服を何度も見ていると、知春さんが口を割ってきた。

知春「それで、相談事って何かな?」

あかり「あ、そうでした。あの、『天然』ってどういうこと何ですかね?」

知春「え?」

知春さんが、ちょっと首をかしげていたので、わたしは今日の学校での出来事を話した。


知春「フッ。」

知春さんは、下を向いて吹き出している。

知春「う〜ん。口で説明するのは、難しいからさ。例え話をしてあげるよ。」

あかり「『例え話』?」

知春「日和のことを思い出してみて。」

あかり「はい。」

ひよりちゃん?

なんで、ひよりちゃんが関係してくるんだろう?


知春「日和ってどういう子だと思う?」

あかり「う〜ん。すごいキレイだなぁって。かわいいですね〜。」

知春「お世辞はいいよ〜。それに外見じゃなくて、中身はどんな感じ?」

あかり「お世辞なんかじゃないですよ。ホントにそう思います。」

あかり「えっと…、中身ですよね?……見た目と違って、なんか、変わってるっていうか、ズレてるっていうか、びっくりさせられます。」

知春さんは、わたしの話を聞きながら、微笑んでいた。

あかり「何か?」

知春「『天然』って、そういうこと。」

あかり「えっ!」

知春「つまり、あかりちゃんも、どっか変わってるっていうか、ズレてるっていうか、ちょっとおかしな女の子って感じなんだよね。」

『ちょっと』って。

知春「あ、気にすることないよ。べつに天然だからって、悪いわけじゃないし、オレは好きだよ。『計算高い』女よりマシだと思うけどね。」

なんか、変わってるとかズレてるってイヤだな〜。

あ、ひよりちゃんには申し訳ないけど、自分がそんなふうに見られてんだとか思うとショックだった。