転んだら死神が微笑んだ

知春「こ…こんにちは。」

知春さんの持っていたコーヒーカップの手が止まっている。

あかり「どうかしましたか?」

わたしはそんな様子を見て、知春さんが服にびっくりしていることに気づいた。

あかり「もしかして、わたしの服、変ですか?!」

知春「ち…ちょっとね。なんていうか、その…バラバラかな?」

あかり「すみません。自分では、結構がんばったつもりなんですけど…。」

そしたら、知春さんは驚いて苦笑いしてる顔から、いつもの笑顔に戻った。

知春「そっかぁ。なるほどね。」

あかり「ごめんなさい。目立ってますよね?」

知春「大丈夫。ここは、あまり人のことを気にするような連中はいないから。座って。」

あ〜あ、やっちゃった。

知春さんは優しいこと言ってくれるけど、絶対見られてるよ。

わたしは、まわりを見てみた。

誰もわたしのことなんか、見ていなかった。

みんな、食事やおしゃべりを楽しんでいる。

知春「ね。気にしないで、なんか注文しなよ。」

知春さんが、メニューをわたしに広げて見せてくれた。

あかり「はい。」