転んだら死神が微笑んだ

じゃあ、とりあえずよろしく!と、二人は自分たちの席に帰っていった。


わたしは、途中から二人の言ってることが、半分もわからなかった。


あかり「う〜ん。人間関係って、勉強よりも難しいかも。」

一人になってわたしは、またぼやいた。


ポキッ

横の女の子がシャーペンの芯を折って、慌ててそのまま、さらに消しゴムを落としていた。

わたしはそれを拾って、女の子に渡した。

ありがとうと言って、女の子はまた勉強を続けていた。



わたしは、授業中ずっと後半の二人の会話を思い出し、必死に意味を理解しようとしていた。

こんなとき、その意味を易しく丁寧に、わたしに教えてくれる人がいたら…。

ひよりちゃんの顔が浮かんだ。





いないし。



……。



タカシ。





絶対バカにするな。



………。



お父さん。

なし。



…………。



お母さん。



お母さんか〜。



……………。



他にいないかな〜?



………………。



知春さん。




あ、知春さんだ!




学校終わったら、連絡してみよう〜。


なぜか、わたしはウキウキした。