転んだら死神が微笑んだ

すっかり外は暗くなって、全体的に涼しくなってきた。

今朝の暑さが何だったんだろうと思えるくらいに、ちょうどいい涼しさだった。

まだ、お父さんは帰ってこない。

お父さんはいつも早く帰ってくるけど、たまに帰りが遅くなる日がある。

こういう日は、きまってお酒を飲んで帰ってくる。

せっかく準備されたご飯も、その日はあまって冷蔵庫に持っていかれるのが決まったパターンだ。

ピンポーン

あかり「あ、お父さんだ。」

わたしは、お父さんが帰ってきたんだと思い、玄関の鍵を開けに行った。

いつもは、チャイムなんか鳴らさずに、自分で鍵を開けて入ってくるんだけど、酔っている日は必ずチャイムを鳴らして、ドアを開けると雪崩みたいに入ってくる。

こんなふうに。

あかり「はいはい。今開けるから。」

ガチャ

今朝のサラリーマン「おう!ただいまっ!ただいま!」

あかり「えっ!おじさん?!」