転んだら死神が微笑んだ

男「しっかし、へんぴな町だな〜っ!!ここは。」

向こうのほうから男の人の声がした。

ちょうど前の空き地のところを横切っていた。

よく見ると、今朝のサラリーマンだった。

あかり「あっ。」

今朝のサラリーマン「ん?んん?おうっ!朝の少女か〜っ!こりゃまた、奇遇だな〜。はっはっはっ!!」

朝と同じ調子でこのサラリーマンはわたしにからんできた。

あかり「こんにちは…。」

今朝のサラリーマン「今、帰りかい?」

あかり「はい。」

今朝のサラリーマン「いいね〜、学生は。」

あかり「おじさんは、この町の人じゃないんですか?」

わたしが質問をすると、なぜかこのおじさんはびっくりとした顔をした。

今朝のサラリーマン「なんで、俺がこの町のモンじゃねぇとわかった…?」

あかり「いや…だって、さっき『へんぴな町』だって…」

今朝のサラリーマン「んん?おじさん、そんなこと言っちゃったかな?」

今度は、いきなりおどけた顔をしてきた。

ころころと態度の変わるこのおじさんを見ていると、なんか怖くなってきた。