泣きすぎて息が出来ない。
涼のせいで、呼吸困難だ。

いや、もしかして私のせいなのかも。

「ひっく・・・(泣くな)」

私は立つのが辛くて、その場でしゃがんでしまった。
なんで、京さんを行かせちゃったんだろう。

この意地っ張り。

「(誰か・・・助けて)」

手を差し伸べても。

涼には―――――届かないの?

「(落ち着け、もしかしたら涼が私に気付かなかっただけかもしれない)」

色んな都合のいい理由を考えても。
想像しても。

深呼吸をしても、さっきのシーンが巻き戻されるだけ。

もう、涼しか頭にないんだ。

「(誰か・・・!)」



お願い、誰か助けて。



「涼・・・っ!」


ツンツン


「ぇっ(ビクッ)」


―――――涼?


「りょ―――――」

「・・・ぁ」

「え・・・?」

振り向くと、そこにはホウキを持った可愛らしい女の子がいた。
私よりは背が少し低めで、ほっぺが真っ赤。

「(・・・誰?)」

「・・・あの」

「え?(可愛い)」

髪は一つ結びにしてて、凄く、生まれたての赤ちゃんみたいに柔らかそうな髪だ。
目は、大きくまん丸でキラキラと光っていた。

本当、愛らしい。

「ど、ど、どうなされました・・・か?」

「ぁ、いや・・・なんでもないです」

「で、も・・・」

「え?」

その人は私に指差した、え、なに?

「・・・泣いて、たんです、か?」

「あっ」

私はとっさに言われた涙を手でゴシゴシと拭いた。
バ、バレたか。

「な、なんでもないんですっ」

「・・・本当?」

「は、はいっ」